くまもと林業大学校【短期課程】に参加しました

導入

 2024年8月21,22日に熊本県五木村で開催された「くまもと林業大学校【短期過程】」に参加してきました。くまもと林業大学校のオープンキャンパスに参加した時に募集チラシをもらったのがきっかけで知り、くまもと林業大学校の南校がある五木村の下見もかねて参加しました。

 この短期過程は、①体験研修、②資格講習の2ステップに別れており②資格講習は、刈払機とチェーンソーの取り扱い等、林業を始めるために必要な技術や資格が身につくという非常に魅力的な講習なのですが、平日4日間仕事を休む必要があり、今の私にはスケジュールが厳しかったため、断念しました。そのため、この記事では①体験研修の内容を記録していきます。

 この講習では、合同会社木人舎(コビトヤ)とフォレスト五木合同会社の方々に講師をしていただきました。大変お世話になりました。

1日目

 1日目は、五木村の端海野国有林で、森の中を歩きながら、説明を受けました。50年生のヒノキらしいのですが、思ったよりも細くないですか?それもそのはずで、本来切らなければ何百年と生きているものの50年ですから、人間で言ったら小学校入るくらいでしょうか。林業では50年は伐採のタイミングらしいです。

列状間伐

 本で見聞きした列状間伐を実際に見ることができました。列状間伐とは、横1列に並んでいる樹木の3本に1本を切り倒すものです。本来、間伐とは、残したい木(状態の良い木、商品価値の高くなりそうな木)を選択し、その木の成長の妨げになる周辺の木を倒すことで、残したい木に太陽光などの栄養のほか、大きくなるスペースを与えるようにするものです。しかし、近年、林業従事者の樹木の目利きが衰えてきた背景があり、そんな中、国によって示された簡単に間伐状態を作れる方法がこの列状間伐です。
 列状間伐では、目利きをする知識や経験が不要なこと、作業後は写真のように縦に1列できるため、機械が入りやすく、いろんなところで木が倒れることがないため、人身事故のリスクも下がるメリットがあります。一方で、状態が良い木や今後商品価値の高くなりそうな木であっても関係なく倒すため、曲がった木や病気な木が生きて、健康な木が倒されるという可能性があります。

 木の土壌近くが割れているように見えますが、これは鹿が角を擦った木が大きくなった時の痕らしいです。この部分は売り物にならないみたいなので、鹿害は林業界では問題とされています。また、植えたばっかりの苗木も鹿は食べてしまうそうです。

 森には柔らかい土と苔がありました。普段見ない苔がありました。

ヒゲノカズラ

 講師が森の中に、フィギュアやおもちゃを隠して受講生がそれを探すゲームをしましたが、なかなか探すのが難しくて、受講生一同大変一生懸命探しました。森の中に物を落とすと探すのは、派手なテープなどを撒いておかないと大変なことが分かりました。

 午後からは伐倒作業の説明を受け、伐倒された木をチェーンソーを使って丸太にしていく作業と枝払いという作業を実際に行いました。

 丸太にする作業では、いくつかの注意がありました。切った木がそのまま山の下に転がっていくかもしれないので、必ず木が転がらないように固定などの対策をすることや万が一転がった時に備えて、丸太より上の方に立って作業することを教えてもらいました。
 また、チェーンソーの技術的な部分では、木の重みでチェーンソーの歯が切断面に挟まり、抜けなくなるのを防ぐために、チェーンソーの歯を入れたら、木がどのように歪み、どのように圧力がかかるかを考えながらチェーンソーの歯を入れるのを体験しました。

 枝打ちは、普段家の庭でやっている作業の悪条件バージョンといったところでしょうか。枝がある部分は節になるので、枝を落として、節のない材を生産するために行います。最近は、節がある方が自然ぽさがあり良いとされる雰囲気もありますが、皆様はどう思いますか。

2日目

 この日はあいにくの大雨だったため、五木村森林組合の倉庫で作業をしました。刈払い機のメンテンアス方法と操作、チェーンソーのメンテナンス方法と操作を学びました。構造がわかり、メンテナンスの必要性も理解できました。
 チェーンソーの歯には向きがあり、向きを間違えると切れなかったり、研ぎ方やブレードの交換を誤るとまっすぐ切れなくなることを知りました。

  午後からは、くまもと林業大学校の南校に移動し、講師から普段の仕事内容を教えてもらい、全体で意見交換会をして終了しました。

 講師からのお話を聞いて、これからまだまだ林業を調べてみたいキーワードをもらいました。

  • エリートツリー
  • 天然林の管理は必要か
  • 県には林業統計要覧というものがある
  • 皆伐エリアは行政が計画等を作成し、コントロールしている(山のゾーニング)
  • 著書「多様性」(池田氏)
  • 著書「森林列島再生論」
  • エアフォレストリー(スウェーデンのドローン林業)
  • 自伐型林家
  • いろいろな山づくりがあってよい
  • 特用林産物(炭、シイタケ、竹)

 今後はこのキーワードを頼りに林業を深ぼっていきたいと思います。

投稿者 ありち

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